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前者の「所有関係」のポイントについて企業価値(ここで用いる企業価値は後述の「Intrinsic
Value」のこと)と資本政策を考えると、両者は互いに影響を与えることに留意しなければならない。つまり、まず「どの時点で実現する(と見込まれる)企業価値を誰がいつ所有しているのか?」ということについて考えをまとめなければならない。スタートアップの時期は通
常は企業価値が低く、この時点で第三者から資金を大量に調達すると、オーナーシップに関して大きな影響を与えることになる。アメリカでは、優先株式を用いて普通
株式と大きな価格差を設けて、資金調達目的を果たしながら所有関係には大きな影響を与えないような方法がしばしば採られる。スタートアップ期のベンチャーは属人制が高く、機動的な意思決定と行動を行わなければならないので、所有支配の関係が安定していることは重要である。しかし、一方でVCなど外部の投資家にとってこのような所有支配の状況は不安定な関係ではあるが、投資契約や株主間協定等を用いて、スタートアップ期のベンチャー企業にとってクリティカルな意思決定に参加することはできるし、投資段階で約されたマイルストーンが達成できないときは経営権を奪首することもあり得る。我が国では、税務上優先株式の取り扱いがどうなるか分からないこともあり、優先株式を用いて、経営陣の株式(スウェットエクイティ)と大きなスプレッドを持たせる事例もまだ少なく、我が国の制度下での投資契約の条項の有効性についても議論があり、ファイナンス(タイミング、金額)と所有関係は一体のものとして考えていかねばならない。つまり企業価値が低い段階での第三者からの資金調達は、通
常オーナーシップに大きな影響を与える。
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