第二部  X 開示

3.ナスダック・ジャパン
 ナスダックジャパンではその設立理念であるスピーディーな株式公開と流動性の高い新しい株式市場を目指すとともに、投資家の自己責任原則を確立すべく積極的なディスクロージャーを要求している。日本では、過去の業績が企業評価の重要な基準となるが、ナスダック誕生の地アメリカでは実務的に四半期開示が定着しており企業の価値を測る重要な基準となっている。ナスダックジャパンにおいてもこの情報開示の精神を大切にし、企業の将来価値を高めるために、日本の証券取引法に基づく企業内容開示制度をベースにアメリカで行われている企業情報開示の制度を追加的に要請している。

 また、ナスダックジャパンに公開するに当たって申請資料として必要な書類は有価証券届出書、定款、登記簿謄本等であり、既存の市場への公開時審査資料として要求されているいわゆる「Uの部」は必要ないとされる。ナスダックジャパンは東証マザーズや店頭2号基準に比べても公開基準が緩和されているわけではない。赤字企業は純資産や株価の時価総額での基準のクリアが必要となる。申請の受付やヒアリングは大証が行うが、実質的な審査は主幹事証券会社が行い,申請に当たってはその証券会社の推薦が必要になる。ナスダックジャパンはフリー、フェア、グローバルという3大理念のもとに開かれた市場システムのもと、世界中の投資家から投資を仰ぎ、アメリカなどの海外市場での同時公開を可能にするようなグローバル市場を目指しており、このため、他の市場と同等に公開基準を高く設定し、投資者保護をより厚く実施することを想定している。

4.マザーズ及びナスダック・ジャパンの異同点
 マザーズは、成長過程にある新興企業に対して、従来よりも早い段階において証券市場からの資金調達を円滑にし新たな産業の育成に資することにより,その設立目的がある。一方、ナスダックジャパン市場も、多くの新興企業に成長の機会を与え、投資者に魅力的な投資対象を提供するために創設されたものである。すなわち、両市場ともに、申請企業の新規性・成長性を重視し、それらの企業がより早い段階で上場して資金調達が可能となるような上場審査基準を設定している。両市場は投資者に対して魅力ある投資対象を提供すべく,上場後の情報開示について重視しており、投資者の投資判断に資する情報が適切かつ適時に提供されるように努めている。

 しかし、その目的や趣旨には共通点があるとしても、両者は異なる市場であり、上場審査基準や開示書類等については、それぞれの市場においてルールが定められている。

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