第二部 第二部  IX 公開後の株価
IX 公開後の株価政策

1.公開時期
公開時期を決定するに当っては、次の事項を検討しなくてはならない。

(1) どの市場で公開するか
 マザーズ、ナスダックジャパン、店頭2号基準、などの新市場が1999年春以降、相次いで創設されている。公開準備に当っては、これらの新市場に公開するのか、東証1部、2部、大証1部、2部などの既存市場に公開するのか、をまず検討する。
(ただし、ベンチャー企業の場合、公開基準のハードルが高い既存市場の1部に直接上場するのは難しいであろう)

(2) いつの年度に公開申請するか
 業績予測や公開基準充足状況を鑑みて、いつを公開年度とするか検討する。以下、2003年度に公開申請を行う3月決算の企業の場合、2003年度(2004年4月期)を公開申請年度、2002年度(2003年3月期)の決算を直前決算期と称する。

(3) 公開申請年度の何月に申請を行うか
 2003年度を公開申請年度と決めた後、何月に公開申請を行うか。株主総会終了後すぐ行うのか、四半期の業績を考慮して申請時期を遅らせるのか、などを検討する。

 設立後経過年数の制約や利益基準、資本基準等のないマザーズなどの新市場が発足して以来、設立後間もない企業でも公開基準の充足が容易になり、スピード公開が相次いだ。しかし、公開申請年度は、公開基準の充足だけではなく、事業計画による業績予測、資本政策の実施状況、公認会計士監査、内部管理体制の構築状況、資金調達需要等を総合的に勘案して決定すべきである。

 事業計画を綿密に練ることで、資金需要が旺盛になる時期の予測、調達必要額及び業績の予測が的確に行える。資金需要のタイミングと次年度(=公開申請年度、2003年度)に業績が上がると予測される年度を直前決算期(2002年度)とするのが望ましい。

 資金調達面で一時的に有利であるという観点から、最も株価が高値につきそうな業績の良い期を公開直前期とする企業もある。しかし、公開時が最も高くて後は下落傾向という株価推移は、長期的に見て望ましくない。

 直前決算期を決定したら、その決算期を用いて公開申請を行う具体的な時期を決定する。マザーズ、ナスダック、店頭市場(第2号基準)では法定開示(有価証券報告書、半期報告書等)に加えて四半期決算のディスクロージャー義務がある。公開直後の半期、四半期決算で業績が下がっていると、株価にマイナスの影響を及ぼす恐れが高い。

 

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