| 第二部 |
第二部 VIII 公開時の公募・売出に関する考え方 |
| VIII 公開時の公募・売出に関する考え方 |
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1.公募と売出のバランス
株式公開の方法としては、公募と売出がある。公募とは50名以上の不特定多数の引受者のある新規発行の有価証券であり、売出とは既発行の有価証券の譲渡をいう。公募は新株を発行するため、会社に資金が流入するが、売出はオーナーなどの大株主が保有する既存株式の放出なので会社には資金は流入しない。その代わりに、売出人であるオーナーなどの株式売却収入として資金が流入する。
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公募・売出については、株式公開の有無にかかわらず、1億円以上の調達については有価証券届出書の提出が義務づけられ、1千万円超1億円未満の場合には有価証券通知書の提出が義務づけられている。
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最近では、株式公開前に50人以上の株主を募集し、1億円以上の資金調達をすることがあるので、有価証券届出書の提出要件に該当しないか注意しておく必要がある。この場合、50人以上かどうかの判断は6ヵ月以内の増資を繰り返す場合には通算してカウントすることになっており、また、金額についても2年間の通算金額で判定するので、公開前の資金調達には十分に注意しておく必要がある。有価証券届出書の提出義務違反は証券取引法違反となり、株式公開が困難となるおそれがあるので、多数の投資家から資金を集める場合には十分な対策を講じる必要がある。
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株式公開の方法として、公募のみ、売出のみ、公募と売出の併用の三つのパターンが考えられるが、通常は併用方式が採用されており、一般的には公募の方が売出よりウエイトが大きくなっているケースが多く、公募のみのケースも次第に増えてきている。
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公募の特徴としては、 |
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1))
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時価発行増資のため、発行会社の資金調達となり、自己資本の充実を図ることができること
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2))
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発行総額の2分の1以上の資本組み入れに伴い資本金が大きくなること
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3))
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発行済株式総数が増加することにより、1株当り利益が減少するとともに配当負担も増加すること
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また、売出の特徴としては、
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1))
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オーナーなどによるキャピタルゲインを確保することができること
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2))
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オーナーなどの持株割合が低下し、安定化比率も下がること
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3))
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会社の資金調達には貢献しないこと
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上記の特徴から、会社の資金調達を優先すれば、株式公開時の放出株数をある程度一定にした場合、相対的に公募の占める割合が高くなり、売出を制限せざるを得なくなるが、公募株数の増加は株式の希薄化減少を起こし、1株当り利益の減少に伴い株価の下落をもたらすことが予想される。また、売出は既存株式の放出であるため、浮動株式数の割合が高まり、安定株主比率の低下の度合いが大きくなる。
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