第二部  V 株価

 以上のような理由により、未公開株式の評価に関しては、各種の規制適用時において基準となる評価方法が存在する。こうした評価方法としては、以下に考察するように税法において主として用いられる基準と、商法上の問題が生じた際に適用される基準が存在する。

 なお、上記事項は時価の算定が困難であることが多いということを述べているに過ぎず、取引実績が客観的時価と認定されるケースも存在するのが実状である。こうしたケースが散見されるのは主として税務に関してであるが、このような場合には制度上援用される評価基準を形式的にあてはめても認められないことになる。こうした現実に対処するために実務上は、個々の価格及び関連条件決定毎に問題はないかどうか適切な検討を加えることが必要であるといえる。

 税務上定められるいくつかの方法以外に、最近では、受注形態・売上額・営業利益額・営業利益率・業種・流動(浮動)株式比率・流動単位株数・株主資本比率・ROE(株主資本利益率)・ROA(総資産利益率)・設立経過年数・売上高成長率(過去3年/将来3年)・経常(営業)利益成長率(過去3年/将来3年)といった指標をもとに、既に公開している類似企業を複数探し出し、それらの会社のじかそうがくから割出した株価を加重平均する方法で株価を決定する方法が最も合理的であると考えられている。。

(3)財産評価基本通達による評価方法
 当該通達には、相続及び譲渡の際に通常援用される、取引所の相場のない株式に適用される評価方法が記載されており、これらは次の4種類からなる。

1)) 

純資産価額方式

2)) 

類似業種比準方式

3)) 

(上2つの)併用方式

4)) 

配当還元方式

 このうち、4)) は例えば零細株主が株式を取得したとき等限定的な状況においてのみ用いられる評価方法であり、「特例的評価方法」と呼ばれる。これに対して、@〜Bの評価方法「原則的評価方法」と呼ばれている。

 上記4つのうち具体的にどのような場合にどの方法が採用できるかといった事項に関しても制度上規定されており、以下のプロセスを経て区分されるが、ここでは詳述しない。

1)) 

評価対象会社の規模の判定

2)) 

取引当事者の株主区分の判定

3)) 

株価の算定

戻る 次へ