| 第一部 |
第二部 V 株価 |
| V 株価 |
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1. 公開前における株価
(1)株価の重要性
株価は良い会社であればあるほど高くなる。これは株式公開していようが未公開のままであっても同じことである。株価は原則として業績と適切な投資に連動する、と定義することができる。したがって、資本政策の実行段階で付す株価も業績や投資の適切さを反映したものになることは言うまでもない。特に、株価は、発行済株式数を考慮しつつ、税務上の様々な規定と公開審査上のルールに抵触しないようにしなければならないので、資本政策を検討する上で最も慎重な判断が必要となる。
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会社は資金調達目的から新株発行を行うが、この際に付する発行価額はより高額であることが当該資金調達目的上は望ましい。しかしながら、高額な発行価額は株式の引受人の負担が大きい。資本政策策定段階では、こうした目的を同時に満たすような株価によって新株発行の決定を戦略的に行う必要があり、また、これらの条件は株主間で均一であることが商法上要求されている。株式譲渡においては、諸種の事情から特定の当事者間での譲渡価額を高額若しくは低額にしたいという政策的な決定がなされるケースが存在するが、これらの取引に関して税務上課税が行われる場合がある。
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(2)時価
増資実行時、もしくはストックオプションの行使価格等、未公開の株式評価をする時点で一番難しいのが、時価の算定である。株式に限らず、財・サービスの取引価額は市場価格として認識される数値であり、この市場価格は当事者間の相反する利害を均衡させる条件であるため、新株発行若しくは株式譲渡の際に当事者間を納得させる金額はこの市場価格である。この市場価格は実務上「時価(若しくは、客観的時価)」と称される。時価で評価された株式の取引は経済上も何ら問題の無いものであるため、税法及び商法においても当該評価による取引は規制の対象とはならない。しかしながら、未公開企業の株式(以後、未公開株式と略称)は上述のような「時価」若しくは「客観的時価」を計算することは困難であるケースが少なくない。これは次のような事項に起因する。
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1))
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未公開の場合、譲渡が行われるケースが非常に少なく、よって、市場価格たる時価が形成される場所がほとんど存在しない。
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2))
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仮に取引実績が存在したとしても、個別の売買当事者における固有の事情を強く反映した客観性の少ないものである可能性が高い。例えば、対象企業の経営権をほぼ掌握している経営者にとって、所有基盤となる株式の価値は比較的高いと考えられるが、対象企業のごく少数の株式しか所有していない株主にとっては、当該株式の価値は期待される配当の割引現在価値程度しかないと考えられる。
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