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コラム-GTE2018-

GTE2018

 

理事長

市川隆治

 

 早いもので毎年和歌山でこの時期に開催される一般社団法人カピオンエデュケーションズ主催のGTE (Global Technology Entrepreneur) も今年で3回目となった。引き続きVECは協賛団体として参加している。

 7月30日に米国人1名、英国人1名、フランス人1名を含む25人の高校生が和歌山、紀三井寺近くの温泉旅館に集合した。今年の特徴は、日本人高校生の方もインターナショナルスクールの生徒や名だたる有名校の生徒が勢ぞろいし、英語のhearing & speaking能力が優れていたことである。とはいえentrepreneurshipの教育は受けておらず、いずれの生徒も初めての体験に戸惑いながらも多くを学んだようである。募集段階では最大生徒数25名に合わせるため、同じ高校からの参加人数を絞らざるを得なかったと聞いている。

 もうひとつの今年の大きな特徴は、第1回目の直後に書いたコラム「学び方革命」で期待したことであるが、日本の私立高校の先生2名が授業参観にわざわざお越しいただいたことである。お二人ともシリコンバレー流の起業家教育のやり方に目を見張り、興味深く見ていただいたようである。

 

①

ジャストン先生の講義は速いので目が離せない

 

 緊張を強いられる講義とエンタテインメントの絶妙な組み合わせについてはすでに触れたところであるが、今年は2日目の午後がボーリングに充てられた。これで初めて顔を合わせた同志が一気に打ち解け、お互いの性格分析もできたようである。来年はさらに盛り上げ効果の高いドッジボールにしようかとの声もあった。

 ゲームをうまく活用することについてもすでに触れたが、毎年同じゲームもあるが、新作ゲームの取り入れもあって楽しみだ。今年最も生徒たちが熱中したのは、4日目の午後に実施された「タワー建築ゲーム」であろう。タワーと言ってもおもちゃのタワーで最終的には高さを競うのであるが、問題は棒や継手といった部品が少しずつ入ったビニール袋を競売にかけるという点である。各チーム100ドルずつの手持ちで、ほしい袋に手を挙げて10ドルとかオファーするが、別のチームが11ドルとオファーし、だんだん値が吊り上げられていく。チームによっては早々に100ドルを使い果たし、競売に参加できなくなってしまう。部品袋がなくなると制限時間内にタワーを建築する。一斉に手を離したときに基礎が脆弱なタワーは倒れてしまう。そして、最後にこれが競売プロセスなのだとの解説がつく。

 初日の夜に実施された「Brain-writing」も面白かった。まず生徒に1枚ずつ渡された白紙の真ん中に自分の関心のあるテーマを書かせる。次に自分の紙を隣の生徒に渡し、周辺にコメントを書き込ませる。それで3回紙をチームの全員に回す。通常のBrain-stormingだと声が大きい者が支配的になるが、これだと静寂の中をチームのメンバーが何に関心を持っているか、また、それに対してどう他のチームメイトが感じているかを分かり合うIdea Challengeの一環のゲームということであった。

 さらにチームメンバーの割り当てが発表された2日目の朝には「Mind Mapping」が実施された。真ん中の自分の関心のあるテーマに紙を回しながら周囲に他のチームメイトがコメントを書き込んで行き、ひととおり書き終わったところで似通ったコメントを色別にクラスターとして囲んでいく。こうしてチームメイトの考え方を把握し、team buildingがなされていく。

 

 ②

はじめの頃の和気藹々のグループディスカッション、この後だんだん顔が真剣に変わっていく

 

 それ以外にも確実に起こす目覚まし時計のアイデアやエナジードリンクの設計等、なかなかチームでひとつのプレゼンテーションテーマが煮詰まらない中で、ポンポンと軽い共同作業をさせ、プレゼンテーションの準備運動をさせていく。

 プレゼンテーションのリハーサルは計3回行われたが、昨年のコラム「ふたたびのGTE」に詳述したような事細かな指示が飛ぶ。今年は特にジャストン先生の教え子で大学生になった2人(ミシガン大学生とプリンストン大学生)がアシスタントとして参加しており、彼らからも改善点の指示が飛んだ。

 過去2回の参加者の親御さんからは息子がしっかり自立するようになったとのうれしいコメントをいただいたり、参加した高校生が今年は大学生になり、スタッフとして参加したいとの申し出があったり、いまだ少人数ではあるが、教育効果といえるものが少しずつ現れてきている。これからの展開が楽しみである。

 なお、今般の通常国会で産業競争力強化法が改正され、創業支援施策が拡充された。これまでの創業支援事業に加え、創業機運醸成事業も補助対象となり、本件GTEも今年度から「和歌山市創業支援等事業計画」に位置付けられる予定で、国からの補助金を受けられることとなった。

 

③

 ビジネスプランコンテストも終了し、来賓の尾花正啓和歌山市長を囲んで記念撮影

 

 

<参考> 関連コラム

 

ベンチャー白書

ベンチャー白書2016  I-141ページ 「学び方革命」

ベンチャー白書2017  I-111ページ 「ふたたびのGTE」

ベンチャー白書2017  I-109ページ 「DECA」

 

ホームページコラム掲載

2016年08月12日「学び方革命

2017年01月18日「DECA