シリコンバレー通信 Vol. 4 「バブル再来のシリコンバレー」

シリコンバレー通信 Vol. 4   バブル再来のシリコンバレー

 

2014年の第二四半期の米国ベンチャー投資額は$22billionで2001年以来の最高額を記録。シードラウンド投資のバリュエーションは昨年に比べて23%上昇。2013年のシリコンバレーのハイテク業界の平均給与は$195,000を超えた。シリコンバレーの不動産価格は2007年度以降最高レベルを記録。

 

シリコンバレーは、2000年前後のITバブル以降初めてのバブルに突入している−−−−。

 

数々のメディアで騒がれている「シリコンバレーのバブル再来説」。バブルが経済を襲う際の世の常として、「これはバブルだ」「バブルではない」という議論がヒートアップする。

 

”bubble or not”議論の材料として、1999年のドットコムバブルとの比較が頻繁にされている。バブルの兆候を示す統計値は沢山あるものの、「バブルではない」という論客はどういうロジックでバブルではないと主張しているのか?以下、メディアでよく見られる「バブルではない派」の切り口をいくつか紹介する。

 

  • 1999年のドットコム・バブル最盛期はITベンチャーのIPOが310件もあったが、2013年は41件のみであった。
  • 1999年のドットコム・バブル時には、収益も少なく「おとぎ話」の妄想の世界にいるようなベンチャーが多くあったが、その後のバブル崩壊によるレッスンでベンチャーコミュニティは多くを学んだ。その結果、現在のベンチャーは99年時とは比較にならないほど、足腰のしっかりした現実的なベンチャーが多くなっている。バリュエーションが高いのはそれを反映しているのに過ぎない。
  • これまで市場はIT分野の会社を正当に評価していなかっただけで、現在のバリュエーションの上昇はその調整に過ぎない。
  • ベンチャーへの投資額が急上昇しているが、それはベンチャーキャピタル以外の投資家(プライベートエクイティやミューチュアル・ファンド)が投資しているからであって、ベンチャーキャピタル業界のバブルとは言えない。これは99年のバブルとは異なる。

 

もっとも、最近では、「バブルかバブルでないか」の議論を超えて、「いつバブルがはじけるか」という議論が始まりつつある−−−−−−。

 

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本コラムシリーズでは、サンフランシスコのスタートアップにて事業開発に携わる筆者が、自分の意見を踏まえてシリコンバレーの起業環境・スタートアップ関連の生の情報をレポートする。

 

(吉川 絵美)