「アジアVCネットワーク・フォーラム2010」に参加しました。

2010年11月24日と25日に東京国際交流館で開催された「アジアVCネットワーク・フォーラム2010」についてのVEC理事長・市川隆治の所感です。

「アジアの元気を取り込め―アジアVCネットワーク・フォーラム2010」

11月24日及び25日の両日、お台場の東京国際交流館においてVECも後援して『アジアVCネットワーク・フォーラム2010』(以下、AVCNフォーラム)が開催された。歴史上初めて中国、北京、香港、台湾、韓国、シンガポールそして日本の7つのVC協会が一堂に会し、2日間で延べ500名弱の参加者を数え、業界関係者の関心の深さを窺わせた。日英中の同時通訳が相互理解に非常に役立ったが、レセプションで、私はさらにフランス語(招聘したEVCAのディレクターがベルギー人であったため)とハングルも交えて挨拶したところ、会場から喝采を浴びた。

そもそもこのフォーラムはアジア地域でのVCのクロスボーダーな投資活動を促進するため、年初頃から経済産業省を中心に構想が温められ、JVCAの協力の下、手分けして関係VC協会を説得して回りようやく実現したもので、最後のところだけ参加できた私としては、関係者のご努力に敬意を表したい。

よちよちと歩み始めたAVCNのお手本としては、NVCAとも密接な連携を有しつつも、NVCAが単なるロビー団体であるのに対し、我々は世界スタンダードを担っていると豪語するEVCAがある。彼らの学んだ教訓としては、すべての関係者から信頼を勝ち取るまでには長い時間が必要ということ、関心の異なる関係者の利害調整をねばり強く行うことが重要ということ、また、まず用語の定義を共通化することが必要であり、その上でデータベース等の基礎的な統計を整備することが重要ということである。

アジアの各VC協会のプレゼンテーションは、それぞれに経済状況やVC協会の発展段階に違いがあるものの、政府の強力なバックアップがあったり、好調な経済を背景に日本の何倍もの成果を出しているとの説明があったりと、羨ましい限りであったが、VC各社の規模が小さ過ぎるとの悩みや制度改革の必要性とか人材不足を指摘する声もあった。パネルディスカッションにおいては、日本について、技術、デザイン、ブランド、人材に優位性があるとの好意的な発言と、意思決定に時間がかかりすぎるとの耳の痛い指摘があった。また、並行して隣接の会場で日本の24社のVBのプレゼンテーションや商談ブースも設けられ、盛りだくさんの内容となった。なお、25日の午前中には隣の産総研臨海副都心センターの見学ツアーも企画され、希望者が参加した。

JVCAの呉会長からは、イノベーションの夜明けに向かって、AVCNの活動を毎年持ち回りで継続して実施してはどうかとの提案がなされたが、アジアにおいてEVCAのような恒久的な組織を立ち上げるには解決しなければならない課題が山積しており、是非呉会長の提案を実現したいと感じている。中国をはじめとしたアジアの元気を低迷する日本経済に取り込み、経済成長や雇用の確保につなげるには是非とも必要なことであり、VECとしても最大限の協力をしていきたい。

(財団法人ベンチャーエンタープライズセンター 理事長  市川 隆治)