第4回「ベンチャー企業待ってます -新たな照明市場- 」

1880年エジソンが電球を発明してから、第2世代の照明蛍光灯、そして今第3世代へ。

2008年6月の洞爺湖サミットに併催された「環境総合展2008」には、1枚の板が発光する新たな照明具が展示され各国の注目を集めた。有機EL照明の初舞台である。出品したのは、米沢市に本拠を置くベンチャー企業のルミオテック社。有機ELの権威、城戸淳二さんも出資者に名を連ねる。

有機EL照明の構造は単純。ガラス基板の上に形成した透明電極の上に青、緑、赤の3原色の有機EL発光層を重ね、その上を金属電極でおおうだけ。

これによりこれまでの照明器具にはなかった面発光が可能となる。写真をみて頂きたい。上部の有機EL照明版から光は側面に漏れていない。だが、その下に置かれている物体の演色性のよさに注目して頂きたい。
EL lighting
この有機EL発光については、早くも多くのベンチャーに刺激を与えている。例えば、兵庫県たつの市にあるフジテック・インターナショナルは、蛍光灯ならぬ「リン光灯」を提案している。原理は上記と同じ。内面に透明電極を形成したガラス管の内側に有機EL発光体を積層する。このリン光灯は回収し、内側の発光体を除去して再利用するのがミソ。リン光灯の製造と再生が行える装置も開発している。

ここにもまたベンチャーの大きな進出余地がある。3原色の割合を変えれば演色性は自由自在。マグロのトロを最もうまそうに見せることも可能。照明枠付き鏡なんてものはいかが。

ついでながら、このあたかも逆の作用を利用したものが有機薄膜型太陽電池。コスト、量産性、柔軟性の点で次世代太陽電池の本命と目されているがまだ発電効率が5%と低いのが玉にキズ。この有機薄膜型も今後目を離せない分野だ。

(多摩大学名誉教授 那野比古)